私が出生前診断を受けないと決めた理由

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青空高齢出産での最大の心配事の一つは、赤ちゃんが健康に生まれてくるかということです。

私は不妊治療を経て39歳で出産することになりましたが、世間では、ダウン症などの先天性の病気が多くなるので高齢出産は危険だと言われています。実際、過去に一度流産した時には、周りの人に羊水検査をしたのかとか高齢だからかとか聞かれたりもしました。

流産は、先天異常など赤ちゃん側の原因がほとんどだと言われていますが、妊娠が継続している場合でも、希望者は妊娠中に赤ちゃんに先天性の病気があるかどうかの出生前診断を受けることができます。

出生前診断には、確定的検査として羊水検査、絨毛検査や着床前診断(海外で実施可能)があり、異常の確率を知ることができる検査(非確定検査)として、クアトロテストや、新型出生前診断(NIPT)などがあります。新型出生前診断(NIPT)は、確度の高い検査と言われていますが、確定診断ではありません。

妊娠17週ごろまでに各種の検査を受け、異常があった場合は妊娠中絶を検討することができます。
2014年のYahoo!ニュースによると、染色体異常の確定診断を受けた人の97%が人工妊娠中絶を選んでいるとのことです。 (参考:http://news.yahoo.co.jp/pickup/6121243)

ですが、わざわざ誰かに言うことでもありませんが、私は、夫とも相談の上、出生前診断を受けないと決めていました。
体外授精ですでに自分の希望で命を授かっているのに、自分がそこからさらに命を選別する立場にはないと思ったからです。きれいごとかもしれませんが、それが最大の理由です。

そのほかの理由としては、赤ちゃんが生まれてからわかる病気や障害のほうがよほど多く、羊水検査などで分かる病気はごく一部にすぎないということもあります。さらには、羊水検査を受けることで流産するリスク(200~300人に1人)も考えました。さらに現実的な問題として、検査で異常が見つかって中絶を選択したとしても、中期中絶は母体にも辛いです。ただでさえ流産だの切迫流産だので苦しんでいるのに、これ以上赤ちゃんや自分の体をいじるのはもう嫌です。

実際のところ、赤ちゃんの先天異常の確率は、30歳の出産で1000人に一人程度なのが、40歳になると、100分の1程度にまで上がります。
(参考:山形済生病院ホームページ http://www.ameria.org/column/column_017.html)
高齢出産でも、世間でイメージされているほど確率は高くはないのかな…というのが、私の印象です。

40歳での出産は30歳での出産よりも10倍危険とも言えますが、確率1%をどうとらえるかは、人それぞれです。
天気に例えたとして、降水確率1%で外出をあきらめるかというと、そうでもない気もします。

ちなみに、私が通っていた不妊治療専門病院の説明によると、体外受精だからといって先天異常が増えることはないそうです。(ただし、父親由来の遺伝的異常が伝達される可能性があることと、長期的な予後については未解明の点があるとされています)

決して簡単な問題ではありませんが、私は「高齢だから出産はあきらめるべき…」のようには思いません。
リスクを理解したうえで不妊治療や出産へ一歩踏み出すかどうかは、自分で決めてよいのではないでしょうか。


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