体外受精では、多くの場合、排卵誘発剤(注射)で卵子を育てていきます。
通院して注射してもらう人も多いようですが、私が通う病院では自己注射を勧められました。
私の場合、生理開始から採卵までの2週間くらい、3種類の注射(FSH / hMG / hCGの各製剤)を、スケジュール表にしたがって順番に打っていきました。
注射の場所は、下腹部の皮下脂肪です。普通の「注射器です!」という感じの組み立て式の注射器を使い、生理食塩水のアンプルを割って粉薬を溶き、下腹部をつまんで注射していきます。
(病院によって、お尻や太ももなど、位置は違うようです。また、ペンタイプのものなど、注射器もいろいろ種類があるようです)
写真入りの親切なプリントを読んで、1回看護師さんと練習してから自分でチャレンジすることになるのですが、初めはプルプル手が震えて、汗ダラダラで、頭痛(※)までしてきて、もう逃げ出したい気持ちでいっぱいです。
(※どうも、hMGなどのホルモン剤で本当に頭痛がする人もいるようです)
当初は、注射が待っていると思っただけで怖くて泣きながら家に閉じこもって一日が終了していました。
アンプルを指ではじいて水を下に落とすところで、うっかり頭の部分をはじいて割ってしまったこともあります。
でも、人間は、慣れる生き物のようです。今では、朝20分くらい時間があればサクッと注射して出勤できるようになりました。
手順どおり注射した場合、ほとんど出血はありません。
前に、うっかり注射針を手に刺してしまった時には血が出てしまったのですが、お腹だとこんな事はありません。注射の場所って、ちゃんと安全そうな場所を考慮してくれているんだな…と感心しました。
ちなみに、注射針も、採血の時のような太いものではなくて、とても細いです。
不測の事態に備えて、予備の注射器ももらえました。
注射は家で自己注射したとしても、通院自体はそこそこ頻繁です。私の場合は、採卵までに3回くらいでした。ホルモン値の測定と内診で細かなチューニングを行ってくださっているようで、その結果を待って次の注射内容が決められていました。
ちなみに、通院の日には病院で肩に注射を打ってもらいます。同じ薬のようですが、自分でお腹に打ったほうが痛くないくらいです。
元々がうっかりした性格のため、手順や、そもそも打つ薬を間違えたりしないか、いつも心配です。
一個一個、注射に日付が書かれているのですが、今、何日の何時だっけ…と、携帯とノートパソコンでダブルチェックしてから、注射します。
当然ですが、自己注射が全部失敗しないという前提で治療のスケジュールが組まれているので、自分の不注意でこの周期の治療をダメにすることがないようにしたいと思います。
注射のアンプルや注射器を入れるのにぴったりです。
意外な使い道ですが、使用後の針やアンプルを入れるのに、ホテルのアメニティが入っていた缶がものすごく便利です。アルコール綿も悪臭ではありませんが若干匂うので、密封してしまえると有難いです。
こじつけ感はありますが、「缶がほしいからディズニーホテルに泊まろう」とご主人・奥様をデートに誘ってみるのも良いかもしれません。
(缶そのものは、ふたが完全に取れないタイプのものであれば、ミルキーの缶などでも同じだと思います)
病院が近いとか、スケジュール的に負担にならない場合はともかく、通院に苦労している人には自己注射はとても有難いです。仕事や日常生活など、妊活女子が普通に過ごせるチャンスを広げてくれると思います。
私は、当初専業主婦で時間に余裕があったものの、とりあえず勧められて自己注射をやってみたのが正直なところですが、このスケジュール感と体調なら仕事にチャレンジできるかも…と思い、また働き始めることができました。
心理的にはかなりハードルが高いところですが、自分が身を削って一生懸命何かに取り組んでいる姿勢は、夫や周りの人の協力を得るためにも有効です。
身を削りすぎて体調不良になるようであれば本末転倒ですが、私の場合、「怖くて車の運転もできない私がなんとか注射しているんだからさぁ…ここを協力お願いできないかな~」というのは、夫に対して効き目があるようです。
あと、自己注射そのものとは関係ありませんが、自分で注射をすることで、使っている薬などをリアルに認識できるようになりました。なんだか分からないけれど薬を飲んで注射してもらっています…というより、こういう意図でこのタイミングにこの薬を使っているのだな、と理解するきっかけになりました。
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