不妊治療で失ったもの

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テーブルセット
子供が2歳になりました。

長い不妊治療が終わり、もう2人目の子供も考えていないので、これにて妊活終了です。
これで妊活時代を忘れて普通の生活を送れるのか…というと、人によってはそうなのかもしれないけれど、私の場合、不妊治療のためにいろいろ生活を変えざるを得なかったこともあり、すんなり子供を授かった人とは、その後の暮らし方もやっぱり違うなと思っています。

もちろん、今の(子供のいる)生活はかけがえのないものですが、不妊治療のために失ったものもあります。

友達を失った

不妊治療をするとなった時、私は仕事を辞めたり急に予定がつかなくなったりしたので親しい友人には治療のことを話していました。
けれど、結論から言って、話すことで幸せになる人は特にいなかったような気がしています。

友人たちは「そこまでして子供が欲しいんだ…すごい執念だね…」と引きぎみだったし、子供のいない友人の心をざわつかせてしまい、男性からは「絶対イヤだ!」とブーイング。
不妊治療を心情的に受け入れられないという人もいます。

長らく子供のいない生活を送っていた私は、今に至るまでこの件で誰かを否定するようなことは一度も言っていないと断言できますが、こちらにその気はなくても、不妊治療をしていること自体が、子供のいない人生を否定していると理解されてしまいます。
一緒に旅行に行ったり、何度も一緒に飲みに行った友人たちとも縁が切れました。「子供のいない者同士」という共通項があってこそ成り立っていた関係だったのだということに気づきました。

新しい出会いもあったけれど、失った人間関係を思うと、今でも悲しくなります。
一方、変わらずつきあいを続けてくれる友人もいて、今ある関係を大切にしたいと思うようになりました。

仕事を失った

私の場合、元の仕事が忙しかったこともあり、不妊治療をすることになった段階で会社を辞めました。
今は別の会社で働いていますが、会社の規模も収入もダウンし、キャリアの観点でも、失ったものは大きいと思います。

女性にとっては、30代~40代前半の時期って、家庭生活だけでなく、仕事においても大切な時期です。その時期に足踏みしていたのは本当にもどかしく、この思いは経験した人でないと分からないと思います。

ですが、子育て中の今もまた仕事するうえで悩ましい時期で、今後そういった悩みが10年以上続くことを思えば、働き方改革が数年早くなっただけといえるかもしれません。妊活で仕事を調整した経験があったからこそ、出産後の仕事の滑り出しが比較的スムーズだった気もしています。

健康を失った

私は、40歳そこそこで出産しましたが、体力的にはだいぶしんどいです。不妊治療だからでなく高齢出産だからということかもしれませんが、子供が2歳の今は、イヤイヤと夜泣きでグッタリです。

子供さえいれば毎日がバラ色かといえばそうでもないし、心が安定するかというとむしろ乱高下が激しくなっているしで、若いお母さんと比較するとだいぶいろいろ無理が出ているのだと思います。

不妊治療をしていた時のホルモン剤や、いろいろな手術の健康への影響も未知数です。
薬も手術も、しないですむなら、しないに越したことないです。でも、するなら早いほうがよいと思います。

お金を失った

不妊治療をしていた数年は、数百万円単位の支出がありました。共働きで、マイホームも買っておらず現金で貯金があったので持ちこたえることができましたが、タイミングによっては経済的に辛いと思います。

でも、不妊治療にかかるお金は、いつまでも底なしで増えていくかというと、そうでもないです。
体外受精をするにしても5回くらいである程度見込みがあるかの目途が立ちそうと言われているし、年齢的にも、遅くても35歳~42歳くらいまで。本当にお金がないというより、仕事や家庭の事情など、他にやりたいこととの兼ね合いや優先順位で不妊治療をしない選択をする人も多いのではないでしょうか。

どういう道を選んだのであれ、あとで後悔することが無いよう、自分自身で納得したいところです。
もし妊活をするのであれば、時期を逃さずやり切ることが大切ではないかと思います。


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