友人の出産…うらやましい気持ちを消化するには

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赤いケーキ妊活を始めてからというものの、誰かの妊娠・出産の知らせを聞くと、どうしても動揺してしまいます。正直、お祝いの集まりや出産祝いも気が進みません。

また、知り合いだけでなく他人でも、子供の虐待死のニュースを見たりすると、こんな親に子供が授かるのに、なんで我が家には来てくれないのだ…という思いに駆られます。

「人の幸せを祝えないなんてダメな人だ」
「だから、あなたは人の親になれないんだ」

他人にそんな風に思われるのは、何よりも自分が承知しています。
それでも心に浮かび上がるこういった複雑な思いには、どのように付き合っていくのが良いのでしょうか。

100%祝えなくても仕方ない

3年ほど考え続けて思うには、誰かの妊娠や出産を心の中で100%祝えなくても仕方のないことだと思います。

でも、妊活中という自分の立ち位置を考えてみれば、他人の不幸を願ったり、嫌味を言ったりするのは努力の方向性を間違えている気がします。攻撃的になってもろくなことはありません。

他人の幸せなニュースは、自分と関係ないこととして、「良かったね」と言えばよいのです。自分と比較して考えるから、話がややこしくなるのです。

先に出産した友人へのお祝いは?

プレゼント

たとえ気持ちは複雑でも、友達への出産祝いは贈ったほうが良いと思います。
むしろ、早めのタイミングでお祝いを送ってしまえば、赤ちゃんに会えなくても許されます。

正直なところ、幸せな人へなぜこれ以上与えなければならないのだとか、さあ今回で合計いくら収支マイナスかしら、とかそんなことも一瞬考えたりはしますが、その後ネガティブな心の中を全力で取り消すようにしています。
何度も同じようなことを繰り返して、結局のところ、何をしても悲しくなるのだから、せめて人として正しくあるべきだという結論に達しました。

私の学生時代の同級生で、正直で心の優しい友達がいます。
仮にAちゃんとします。
共通の友人の結婚式では、Aちゃんは「あまりに自分は肩身が狭くて…」と、欠席でした。

結婚した友人は成績優秀で難関の仕事に就き、お家も裕福で、もちろん結婚式もとても豪華。一方その友人は、当時無職で結婚の予定もなかったのでした。肩身が狭くて結婚式に欠席なんて、その頃の私には正直ピンときませんでしたが、今となってはAちゃんの気持ちが想像できます。

その後10年以上経ちましたが、当時からの友人関係は続いています。
先に結婚した友人の子供は10歳。Aちゃんは去年結婚し、次の年に女の子が生まれました。有名企業で仕事も得ています。一方、私はなんだか諸事情で仕事も落ち着かないし、夫の経済力を比べると明らかにアレだし、うちだけアパート暮らしだし、熱烈妊活を続けていますが成果もなく、一番肩身が狭いのは私か!?という状況です。

最近、何回目かの体外受精(採卵)が終わってフラフラで家に帰ってきて寝ていたら、Aちゃんから出産祝いの内祝が届きました。この頃、友人・知り合い3人がほぼ同時に出産したのです。

内祝は、私の好きなお菓子にのしがついていて、写真は無しで届きました。
今までは、誰かから赤ちゃん写真が届くたびに大泣きしてしまい、気の毒な夫が愚痴に付き合わされていましたが、Aちゃんの場合だけは大丈夫でした。

関係が薄いからこそ嫉妬する?

今の私は本当にAちゃんがうらやましいけれど、決してAちゃんには不幸になれとは思いません。
絶対にAちゃんは、私と比較して勝ったなんて品性のないことを思っていないということが分かるからです。

つまるところ、私は幸せな人に嫉妬しているのではなく、自分を見下している(ような気がする)見えない誰かが憎いのだなあと、自分の思考回路をようやく理解できました。

今、誰かがうらやましくて辛い人は、子供がいるかどうかの部分だけでなく、相手との関係性を見直してみるのが良いと思います。自分の持っているものを自慢したり、境遇の共通点を確認したりするだけの関係であれば、その共通点がなくなれば心が離れてしまうのは必然です。

また、相手の一部分しか知らないからこそ、嫉妬が出てくるのだと思います。
相手が今まで歩んできた人生全体をみれば、一方的に誰かをうらやむようなことにはならない気がします。例えばお金持ちの例として、自分名義の別荘が何軒もあるような「完璧なおぼっちゃま」のような友人がいますが、本人曰く「家族でこたつでみかん食べるとか憧れる」「相思相愛になりたい」らしいです。この友人と交代したいかとか、そこへ嫁に行きたいかとかいうと、単純にそうは思えません。

子供がほしいと口に出せば楽になる

暗闇の光

お友達との関係が、競争や嫉妬だけで終わらないような大切なものであれば、相手をうらやましいと思った時には、「すごいねえ、うらやましいねえ」と口に出してしまえば、楽になれます。そうすれば、子供を願っているがかなっていないという自分の状況を相手に理解してもらって、配慮をお願いすることもできます。相手のあら捜しを始めたり、不幸を願ったりするより、よほど建設的です。

言霊(ことだま)という言葉があるように、「いいなあ、子供がほしいなあ」とはっきり口に出しましょう。もはや、気持ちは伴っていなくても構いません。もし現実的にかなわないことでも、あくまで相手のこととして話すのです。

この、相手をほめて「うらやましい」とはっきり言ってしまう作戦は、いやでも付き合いを切るわけにもいかない親戚関係にも使えると思います。ほめ言葉は、ある意味“話題終了”の合図でもあるので、まともな相手であれば、さらにかぶせて自慢話をされることもなく、さりげなく話題を変えてもらえます。

うらやましい気持ちはあるけれど、自分にないものを持っている人とも無理なく付き合いたいですね。


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