ホルモン焼で腹に力が宿った不思議な1か月

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(流産など若干グロい表現がありますので、イヤな方はスルーでお願いします)
夜明け

生まれてこられなかった子の出産予定日は、結婚記念日で、夫の誕生日の前日でした。
本来、しんみりするようなタイミングのはずなのですが、仕事がピークを迎えていて、悲しむ暇もなく毎日を過ごしていました。例年、結婚記念日には張り切ってフレンチレストランなどを予約していたりしたのですが、今年はゆっくり過ごそうという話になっていました。

そして記念日当日、仕事を抜け出せた時には、夜11時ごろになってしまっていました。すでに夜ご飯を作る気力もなく、せっかくなので何か外で食べようかということになったのですが、夫の希望は、ホルモン焼。結婚記念日のムードとしていかがなものかと思うと同時に、不妊治療でホルモン剤を毎日飲む打つ買うの私としては、微妙な気持ちになる案件でした。(いわゆるホルモン焼とホルモンは関係ないようですが)

とはいえ、ずいぶん久しぶりの焼肉です。流産の際に衝撃映像を見て以来、グロいものがダメになり、ずっと内臓系は避けていたのでした。夫はいったいそのことを覚えているのか、忘れてしまったのか…でもなぜかその日は、そういった色々な思いをふくめて全部食べてしまおう、という気になりました。

評判の良さそうなお店に入り、ジンジャエールで乾杯してお肉を一口食べたら0時になって、結婚記念日おめでとうでした!続いてお誕生会スタート!と楽しい時を過ごしました。なんかもう涙ぐんでいた気もしますが、きっと店内に立ち込める煙のせいでした。

この月は、前の職場の同僚と学生時代の同級生・後輩の計3人が出産予定という不思議なタイミングでした。どの子も出産の報告をしてくれて、喜ばしいと同時に、どうして同時に妊娠していた私はダメだったんだろうなあ…と涙がにじむ1か月でした。友人たちの幸せなニュースに水をさすわけにもいかず、こちらの事情は話していません。絶対に家に呼んでくれるなと祈りながら、出産祝いを送りました。

私のほうはといえば、2015年には主だった成果を残すことができませんでした。体外受精に複数回挑戦しましたが、結局、現時点で妊娠も出産もしていません。また採卵から再スタートです。就職した会社には通えたけれど、特に査定の評価も上がりませんでした。申し込んでいた資格試験は予定通り受けたものの、上の空で不合格でした。こんなものかと不本意な気持ちですが、もともと私とはこんなものなのかもしれません。

客観的には失速しているように見えるのかな、と思いました。覇気がなく機嫌が悪く、近況を聞かれると曇った顔をして、話題も貧困。優しい夫は「よもぎさんは、何があってもよもぎさんのままだよ」と言ってくれるけれど、こんなにダメな私のまま固定して一生が終わるのかと思うと、恐ろしくなります。

そんな思いで迎えた、予定日・記念日・誕生日でした。
でも、ホルモン焼と一緒に辛い思いを全部食べてしまったようで、食べた後には妙にすっきりしました。
明らかに妊娠はしていませんが、腹に力が宿るような不思議な感覚でした。

次の週には、(おめでた婚で)出産予定の友人に会えました。行きたくないと前日まで泣いたけれど、里帰り前に会って、まずは結婚祝いを渡すことができました。「幸せニュースをアリガトウ!」なんて言って、泣かずにパンパンのお腹も触りました。

確実に私は一年前よりも元気になっている。
だから、今辛い人も、来年には違う思いが生まれているかもしれません。

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