妊娠が妊活のゴールではないと知った日

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(流産の話を含み、けっこう暗いです。苦手な方は読むのをおすすめしませんので読み飛ばしてください…すみません)

鯉のぼり

妊活中になんとか再就職した話」で書きましたが、妊活中に仕事や暮らし方をどうするかは悩ましい問題です。

世間一般では、妊娠の時期はいかにもコントロール可能であるかのように言われていますが、私のように6年以上コウノトリ待ち続け状態の場合などは、もはや持久戦です。仕事をしたり日常生活を送ったりの日々を平常運転しながら、気長に妊活を続けていくしかありません。

私は、最近仕事を始めました。
そして、仕事に慣れつつあったある日、日常を変える出来事が起こりました。

まだ気持ちの整理ができていないので事実のみを書くようにしますが、不妊治療ののち体外受精(顕微授精)で妊娠することができましたが、心拍が確認できないまま7週で流産となりました。

今まで、何とか妊娠したいという思いで不妊治療を続けてきましたが、妊娠がゴールではなく、その先にもいろいろあるのだと知りました。

流産はゆっくりやってきた

小説やドラマだと、ある日突然体調が悪くなり流産する、というような描写がされていますが、私の場合、自分としては順調だと思っていて、自覚症状がないまま流産の診断となりました。

不妊治療後の妊娠の場合は、妊娠後も7週くらいまではホルモン補充を続けることになり、通院もわりと頻繁です。当初しばらくは「おめでとうございますー」「出産する病院を決めてくださいね」のようなのどかなやり取りが行われていたのですが、あっという間に流産の診断が確定してしまいました。

病院の方針にもよるようですが、私の場合、手術よりも最終的な体の負担が少ないとのことで、自然に出てきて完全流産になるのを待つことになりました。先生が2週間程度の期限を決め、それまでに出てきてくれない(繋留流産の状態)なら手術しましょう、という説明を受けました。
「怖がらなくても大丈夫ですよ」とは言われたのですが、いや、あの、かなり怖いです…

そういうわけで、すでに生きていない赤ちゃんをお腹に住まわせながら日常を過ごすことになりました。

流産の確定までに複数回の診断があり、また赤ちゃんが出てきてくれるまでの時期があるので、流産には「流産中です」という状況が存在するわけです。

私は今まさに流産しているところです。
I’m having a miscarriage.(現在進行形)

高校の英語の授業で出てきそうな文章が頭に浮かびましたが、この状況はけっこうキツいです。
私は、メンタルは強いほうだと思っていたのですが、かなり堪えました。

流産待ちの日々

さて、完全流産待ちの日々の過ごし方ですが、家に一人でいるのは耐えられなさそうなので、仕事に出ることにしました。病院の先生に質問したところ、事務職なら出勤してよしとのことで、念のため鎮痛剤とオムツ持参で普通に出勤しました。

オムツと呼んでいるのが、この生理用ナプキンです。紙パンツ式になっていて構造的にも安心だし、体調が悪い時に下着やシーツを洗わなくて済むので、普段の生理の時をふくめ、汚れ・洗濯対応に困っている方にはおすすめです。

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鎮痛剤はこちら。より早く効く(と書いてある)バファリンです。
病院からは、効きそうな好きな薬を自分で買って使ってくださいとのことで、放任気味でした。
不妊治療の時にはいやというほど薬や注射をくれるというのに…

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ちなみに、痛み止めが効くまでには小一時間かかるので、痛みが強くなりそうな時点で早めに鎮痛剤を飲んでおくことをおすすめします。

最後に植物園に行きました

その後、日が経つごとにいわゆる妊娠症状が治まってきて、サヨナラの日が近づいている感覚がありました。ですが、なかなか赤ちゃんは出てきてくれませんでした。

なんとか仕事には通っていたものの、家に帰るとずっと泣いていました。
休日も、なんとも言えない暗いムードでした。

そんな週末のある日、夫が、「今日はよもぎさんの好きなことを一緒にしよう」と言ってくれました。
出かけるべきか迷ったものの、結局、近場の植物園に行くことにしました。なんだか、妊娠してから家と会社と近所のスーパーマーケットにしか行かないまま、赤ちゃんとサヨナラするのがかわいそうな気がしてきたのです。

その日は本当に良い天気で、植物園は家族連れでにぎわっていました。30分くらい中を見て回って、風景や自分達の写真を撮りました。
「楽しかったねえ。赤ちゃんはもう気が済んだかな?」
本当はこれからもっと、赤ちゃんと一緒にいろんな場所へ行きたかったけれど、これで最後です。

数日後、赤ちゃんが出てきてくれて、完全流産となりました。流産の診断からちょうど1週間後でした。

流産後どのくらい仕事を休むか

流産にともなう体のダメージですが、私の場合、腹痛が4日くらい続いた後に痛みと出血がピークとなりました。ピークを迎えそうな時点で仕事を切り上げ、夜間自宅で5~6時間悶絶しました。赤ちゃんが出てしまうと痛みが弱まり、その後は1週間くらいだらだらと出血が続きました。

流産後の仕事については、12週以上での流産では出産扱いとなり8週間の産休を取ることになりますが、私の場合は7週での流産のため、休業期間の決まりはありませんでした。

私は転職したてで有給休暇が数日しかない状態でしたが、上司に相談したところ、必要に応じて休んでかまわないと言われました。勇気のいることですが、いきなり流産しましたと言うのではなく、流産の可能性が出てきた時点で事前に相談しておくことをおすすめします。

私は人事や総務に関する知識はあまり無いのですが、妊娠・出産時の権利は他の病気などの場合と比較しておそらく最強です。法律的には、たとえ業務の能率が低下したとしても、妊娠中・産後一年以内の解雇や不利益取り扱いは禁止されています。本人が退職したいと言わない限りは、クビになることはありません。そのほか本人が請求すれば、休暇や業務変更など、さまざまな配慮をしてもらえます。(参考:厚生労働省「働く女性の母性健康管理措置、母性保護規定について」

とはいえ、私の場合は自然流産になりましたが医者の許可もあったので、ピーク直後の1日以外は働きました。
まだ就職したばかりだし、家で泣いているより外へ出たほうが気分がまぎれると考えたのです。
でもお腹は痛いし、熱は出てくるし、貧血で頭がクラクラするし、かなり辛かったです。

なので、誰かが流産したときには、「大げさじゃないの?すぐ働いている人もいるよ」のようなことは決して言わないでください。休むと言い出せずに、結果的に働くことになってしまっただけかと思われます…
 

なんでわざわざ転職直後にこんな事が起きたのだろう。
痛い採卵や移植でようやく来てくれた妊娠を継続できなかった。
わざわざ赤ちゃんが来てくれて、帰ってしまったことに、どういう意味があるのだろう。

 
病院からは、妊娠初期での流産について説明した紙を事前にもらっていました。
・37歳で体外受精の場合、流産率は約25%
・流産は赤ちゃんが弱いから起こるもので、お母さんのせいではない
・事前に治療して流産しないようにすることはできない

理論の上ではいろいろきちんと理解しているつもりですが、正直、まだ気持ちの面ではまったく整理がついておらず、もはやなんとか仕事に通っている状態です。

ですが、この妊娠が1ヶ月でもずれていたら、おそらく、私は就職していなかったと思います。なぜ、結婚75ヶ月目でなくて76ヶ月目のこの月だったのだろう…と自分に突っ込みたくなりますが、めぐり合わせというものは、本当に不思議です。

還ってしまった赤ちゃんが仕事を授けてくれたと思うことにして、なんとか日常生活を平常運転しようとしています。
 

▼お医者さんが書いた本。科学的な話ではありませんが、読んで救われる人がいるかもしれません。

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