不妊治療の一環で手術をした話

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マグカップ少し前ですが、軽い手術をする必要があって、(普通の)産婦人科病院へ行ってきました。
私はもともと不妊専門の病院に通っていたのですが、妊娠希望であればやったほうがよい手術があるとのことで、紹介状をもらい、しばらくそちらの病院へ通院しました。

産婦人科の待合室はドラマでいっぱいだった

一言で言うと、普通の婦人科病院は、不妊専門の病院よりもいろいろな人がいます。
メインは妊婦さんのようですが、私のような手術予定の人もいて、年齢層も様々でした。もちろん、お腹の大きな人や、子連れの人、でかいマタニティマーク(たぶんAmazonのこれ)をつけている人もいました。

妊活中の人にとっては、(普通の)産婦人科病院は心が揺れる場所かもしれないと思いました。

不妊専門病院では、基本的に何があっても待合室で声を発することもなくシーンとしていますが、この病院では、いろいろな声が聞こえました。

脇をお母さんらしき人に抱えられながら診察室から出てきて、大泣きしている女性。(私のように何かあったのか…)
大きなお腹をかかえて楽しそうに話している夫婦。
大き目の病気の回復期と思われる人。

天国にいる人と地獄に突き落とされた人が隣り合わせにいるような、不思議な感覚でした。

さて、私の手術の話

いちご

私の手術内容ですが、子宮鏡検査の結果、子宮のど真ん中に何か見つかり、
「放っておいても命に別状はないけど、着床に差し支えるので妊娠希望であれば取りましょう」ということでした。

事前準備として、体重を測ったり、血液検査をしてHIVや肝炎などの感染症が無いことを確認したりしました。不妊治療の病院での検査結果をそのまま使える部分もありました。
うっかりホルモン値の検査結果まで渡してしまい、これは関係ないですね…と返却されました。

手術は、静脈麻酔で眠った状態で行うとのことでした。日帰り入院で、朝イチで手術して夕方帰れるとのことでした。日程を選べたので、記憶に残るかと思い、誕生日に手術することにしました。仕事のほうは、週末と合わせて5連休を確保しました。

下半身麻酔(脊椎麻酔)は別件でやったことがあったのですが、静脈麻酔は初めてでした。
日帰り手術で、眠っている時間は1時間程度とのことでしたが、一応、本人以外の連絡先を知らせておくことになりました。前日夜から絶食でした。

手術自体は眠っているうちに小一時間で終わりました。
静脈麻酔は、まず腕への点滴から始まって、その後薬を点滴に入れられます。
「2種類薬を入れていきますが、早い人は1種類目で眠っちゃいますよ~」といわれたのですが、明らかにその直後に意識がなくなりました。
麻酔で眠っている間には夢を見る人も多いそうで、私の場合は、ディズニーランドでジェットコースターかなにかに乗っている夢を見ました。途中でなにか唸り声を上げたようで、もう少しで終わりますよ~と看護師さんに声をかけられたような気がしました。

目が覚めて、病室で休みました。おそらく同様の手術をした人と2人で相部屋でした。床に、一人一個ビニール袋をかぶせたバケツが置いてありました。吐くかもしれないので、横向きで寝てくださいと言われました。

私は大丈夫でしたが、相部屋の人は、麻酔の影響で吐き気がすると言っていました。

お昼頃、紅茶とクッキーが出ました。隣の人が苦しんでいる隣で、私はむしゃむしゃとクッキーを食べ、また眠りました。

病院は、ドラマの撮影にも使われたというきれいな外観と設備でしたが、あえて家庭的な雰囲気を狙ってか、病室がふつうのお家のような内装でした。木の桟と和室用の四角い蛍光灯をぼんやりと見つめながら、実家で眠っているような不思議な気持ちになっていました。

…私が過ごしている毎日は、子供の頃にぼんやりと考えていた未来とは、ずいぶん違うなあ。

…問題なく進学・就職・結婚・出産するってごく普通のことだと思ったのに、私には何の努力が足りなかったのかなあ。

…毎日そんなに辛いわけでもないけど、手術しても一人、不妊治療しても一人というのが本当に寂しいのだ…(明るい話題なら、みんな聞いてくれるのにね)

何回繰り返しても答えの出ないことだとはわかっているのですが、またそんなことを考えていたのでした。

そして費用は

その後、手術から4時間くらい休み、夕方に帰宅しました。
お会計は、健康保険の適用範囲だったので、数万円でした。
(日帰り入院の扱いになるので、生命保険・医療保険に入っている人は給付金の対象になります)

手術後は、消毒と、あと取り出したものが悪性でない確認(病理検査)の結果を聞いて、数回の通院で治療が終わりました。
この期間は、義母が焼くだけの食材を送ってくれたので、夫にご飯を作ってもらって、ゆっくり休ませてもらいました。

この病院には、不妊治療専門病院からの紹介状を持ってくる人が週に何人もいるそうで、看護師さんからは、あなたも体を大切にして頑張ってね!と温かい声をかけてもらえました。

病院の待合室では自分だけが不幸な人であるかのような気持ちになっていましたが、声を出さないだけで、一緒に頑張っている人がたくさんいるのだなと気づきました。

いつの日になるか分かりませんが、次は妊婦さんとしてこの病院に通えるよう、妊活を前向きに頑張りたいと思いました。

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