そこまでして妊活したくない夫の苦しみ③妊活のために犠牲を払いたくない編

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崖っぷち「妊活女子だけでなく夫も辛いよ」という話を3回にわたって書いていますが、今日は最終回「③妊活のために犠牲を払いたくない編」です。
以前の記事はこちらです。
> ①親になる自信が無い編
> ②妊活はなんだか怖い編

妊活のための犠牲は最小限に抑えたい、というのは自然な考えです。
そもそも妊活など意識する前に、「コウノトリさんの機嫌にあわせます~」とか言っている間にすぐに子供ができるような経過が理想です。本来は。

ですが、現実にはそう簡単には話が進みません。ここ数十年で晩婚化や女性の社会進出が進んでも、人間の身体が画期的に進化しているわけでもないので、出産の適齢期は変わらず20代半ばだと言われています。(参考記事:All about「私の産み時はいつ?妊娠タイムリミットとライフプラン」
平均初婚年齢が30代となっている昨今、結婚した時点ですでに出産の適齢期を逃しつつあるわけです。現代の高度な不妊治療の技術をもっても、三十代後半を超えると妊娠出産が難しくなることに違いはありません。
「子供がいつかほしいけれど自然に任せましょう」とのんびりしたことを言っている余裕などありません。

そう言われても、妊活や不妊治療のためにわざわざ費用や労力を割くことには、なかなか納得がいきません。一言でいうと、「子供を持つためにそこまでする必要があるのか」という判断が付かないわけです。別にあと1年くらい子供がいなくてもいい気がするし、毎月毎月決まった日にセックスなんてしなくてもそのうち妊娠しそうな気もするし、奥さんや自分が病院で治療しなくてはいけなくなるなんて考えたくもありません。もっと何年も後の最終手段な気がするわけです。

今まで大きな病気になったことが無いとか、健康に自信のある人ほど、妊活の必要性を受け入れづらいかもしれません。自分が何もしたくないというだけではなく、奥さんの側の犠牲がかわいそうだという思いもあるでしょう。夫である自分さえ「それほど子供がほしくない」ということにしておけば、奥さんがこれ以上妊活のために苦しむ必要が無くなるような思いにとらわれるかもしれません。

ですが、すでに何年も子供がいない状態の人が今何もしない場合、子供ができない確率は高いです。
妊活には、何年も時間がかかる場合があります。タイムリミットから逆算すると、動くべきタイミングは今、かもしれません。

ここは、クールに「こうした場合妊娠率はどのくらいか」ということを認識したほうが良いと思います。
女性は、妊活に熱くなっていても感情論に流されることが多く、データをもとに冷静に判断するということが苦手です。私もですが、小さなことに一喜一憂しがちで、妊活が長引くほどに消耗していきます。

私と夫の場合、後で分かったことですが、医療の力を借りずに妊娠することは難しい状態でした。
ですが、それに気付かず、何年も孤独に子供ができない悩みを抱えていました。
もっと早くきちんと調べていれば、無駄な方向に労力を使って消耗しなくて済んだのに…と後悔しました。

一方、本当に子供がほしいと思えば、年齢などの制限はあるとはいえ、いろいろな道が開けています。
痛いのは嫌だ!病院なんて嫌だ!とは思うものですが、労力・費用や安全性を把握した上で、やる価値ありと思えば、やってみるのも一つです。

私は、妊活をはじめるにあたっていろいろな検査を受けました。
原因の一つとして、子宮のまん中にポリープが見つかり、妊娠を希望するなら取ったほうが良いかもしれないと言われました。手術をするなら、全身麻酔です。もともと別の手術をしたこともあったので、どんなものか想像はつきましたが、正直、なんでわざわざ私がこんな目にあうんだと思いました。夫が止めてくれたら楽になるのにと思ったこともありました。もし「オマエさっさと手術しろ!」みたいに言われたら、深く傷ついていたと思います。妊活を強制すると夫が悲しむと言うのは、こういう気持ちのことをさすのかもしれません。

ただ、私の場合は妊活をやると決めたので、できることは全部やりきる気持ちで夫と相談して色々な治療を進めています。私が本気なのを理解してからは、夫もとても協力的になりました。

自分の中で頑張ろうという気にさえなれば、他の人の目なんて気にする必要はありません。
誰にも言わずに秘密でやればいいのです。不妊治療で夫の出番といえば精子の提出ですが、病院によりますがほとんど男性の通院は必要ありませんし、たまの通院も日程が合わないようであれば、事前に精子を冷凍することもできます。また、全く精子が出ない状態であっても、TESEといって日帰り手術で子供を持てる可能性もあるのです。

私の夫が言うには、「男の出番が少なくて、あっけないねえ」だそうです。実際には、どんなに最大限に男性側が頑張っても、女性側の負担のほうが大きいことに変わりは無いと思います。採卵で5,000人に1人大当たりをひいて大出血する可能性があるとか、薬で副作用があるとか、妊活のために会社を辞めるとか、もう色々ありますが、後で後悔しないために、私はリスクを理解した上で、今できることを頑張っています。

子供を持つまでに必要になる労力も、結局のところ実際に始めてみるまでわかりません。体や精神を蝕むような妊活になってしまえば本末転倒ですが、分からないのが正直なところであれば、分からないけど夫婦で色々やってみよう、と思い直せると良いかもしれません。

 

漫画家吉田戦車さんによる男性向け子育てエッセイです。夫の本棚にありました。どうも私が妊活妊活と言い始めたので購入したと思われます。
(表紙が赤ちゃんのイラストなので、テキストのみ掲載しておきます)

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