このサイトを「妊活 退職」といったキーワード検索で見つけてくださる方が多くおられます。
仕事と妊活の兼ね合いを悩んでおられる方が多いのだな…と感じます。
何か参考になる部分があればと思い、あくまで一例ではあると思いますが、私の妊活と仕事についての話を書きます。
私は、妊活を優先して仕事を辞めるまで正社員で働いていました。
体外受精をすることになったタイミング(結婚6年目)で、仕事を辞めました。
職種としては、デスクワークの専門職で、かなりの激務でした。勤務体制や休暇など、仕組みとしては整った会社だったのですが、あくまで見た目の上でのことで、何年も妊活するのは難しい状況でした。
上司やチームメイトは悪い人たちではありませんでしたが、10人くらいのチームの中で既婚者が私だけだったこともあり、妊活の観点では孤独でした。また、全員が限界ギリギリまで仕事をしている状況だったので、仕事量でも、気持ちの面でもフォローはのぞめませんでした。
業務との兼ね合いとしては、日時指定で重要な会議があったりして、病院通いで仕事を抜けるのがどう考えても不自然な状況でした。「用事は明日にできないの?」みたいな…そりゃそう思われますよね…でも排卵日は、ずれてくれないのです。
しかも、遅刻やお休みのたびに部署全員(課やチームでなく、部の全員)に理由とお詫びのメールを送る決まりがあり、仕事を抜けることがプレッシャーでした。休む理由は体調不良で通しましたが、どうしたの?よほどの状況だと思うけど大丈夫?と気遣われるたびに、申し訳ないと同時にさらし者になっている感があって、辛かったです。
極めつけは、妊活と不妊治療で会社を辞めますと上司に言ったら、「応援してます。早く子供の産める体になってください」と言われました。失敬な…!!上司も悪気は無くて、何を言っていいか分からなかったんでしょうね。今では笑い話にできますが、言われた日には泣きました。
一生懸命仕事を頑張ってきたのに、自分の人生を考えると辞めるしかなくて、体も不良品扱いされるなんて。子育て中の人は時短で働けるのに、私はどうしてあちら側に行けなかったんだろう。
そんなことを考えました。
私の場合、おそらく不妊治療をしながら働いてもクビになることは無かっただろうし、多少評価が下がっても、時々休んだり遅刻したりしながら働けばよかったのかもしれません。損得で言えば、会社を辞めないほうがメリットのほうが大きかったのだろうと思います。
今、退職を検討している人に何か言うのであれば、もし今働いていて、子供が生まれた後も同じ職場で働くイメージが湧きそうであれば、今の職場で妊活を続けるのがよいと思います。妊活を明らかにすることで少々嫌味を言われたり噂のネタにされたりするかもしれませんが、良識のある職場であれば、骨折や胃潰瘍や育児や親の介護と変わりなく、事情を分かってもらうことができると思います。
ただ、生活や働き方を変えたいと思った場合には、動くのは早いほうが良いと思います。
私は、このタイミングで会社を辞めたことを後悔していません。
どうせ、子供が生まれたら、10年くらいは24時間全力では働くことができなくなるのです。
その後も、健康上の都合や家族の状況など自分の能力以外の兼ね合いで、状況を考慮しながら働くことが多くなると思います。ずっと何らか仕事を続けたいのであれば、続けられる形を考えるしかないと思います。
私にとって、妊活が、生活や人生設計を考えるきっかけになりました。
いったん仕事を辞めると、なかなか次も見つからないので、年単位で仕事を休んで妊活に専念することになります。私の場合、2年仕事をしなくても破綻しないように、貯金してから退職しました。
で、退職してしばらくした頃には、妊活のペースがつかめてきました。
意外と不妊治療は、まったりと進んでいきます。がっつり通院する期間があると思ったら、3週間くらいぽっかり間が空いたりします。人によると思いますが、私の場合、体外受精は3ヶ月に1回が限度で、それ以上ペースを上げられないのでその時期以外は、けっこう時間に余裕がありました。
体調としては、初めてホルモン剤を飲み始めたり採卵したりした頃は辛かったのですが、どのタイミングで自分がどんな状態になるかひととおり予測がつくようになり、自分がどうなるか分からないような不安は無くなりました。
一方、会社を辞めたからといってすぐに妊娠するような兆候もなく、不妊治療が長期にわたりそうであることもわかってきました。「これだけ自分を犠牲にしているのに何も成果が出ない」という思いもつのり、だんだん毎日が苦しくなってきました。
私の場合、薬の影響もあると思うのですが、せっかくの時間の余裕をイキイキ活用できているとは言いがたい状況でした。
毎月15万円ずつ、貯金残高が減っていく。
夕方や夜の注射が怖くて一日中何も手につかない。
気がつけばクヨクヨ悩んで泣いている。
なんとかしないとな…とぼんやり考え始めました。
で、妊活のほうの様子も見えてきたので、時間を有効活用する方法を考えはじめました。仕事を探すために、妊活しながらハローワークにも通いました。
他の人の意見も参考にしたくなり、友人に連絡をとってみました。周りの妊活・子育て中の人のほか、ご主人の転勤が多くて定職を持ちづらいような人の話も、参考になりました。
私の周りでは、仕事の内容・時間に制限がある場合、
1. 専門職
2. アートの仕事
3. 期間限定やシフト制の仕事
4. ぴったり定時で終わる仕事
のどれかを選んでいる人が多いようです。
受付・電話対応・オペレーション業務などお客様相手の仕事だと、通院のたびに仕事に穴を空けてしまいます。でも、デスクワークの専門職の場合、遅刻・早退があっても結果としてきちんと仕事が回っていればOKの職場も多くあります。フルタイムでなくても仕事が見つかりやすいですし、フレックスタイムや裁量労働制など、遅刻でお給料が減らされることがない勤務体制になっていることもあります。
誰かにいちいち指示されて動くのではないので、自分のペースで働きやすいです。
もちろん、雰囲気的に休みやすいかどうかは別問題ですけど…
美容系、法律系、語学系、福祉系など職種は人それぞれですが、これから働ける年数は何十年もあるので、新しいことを始めてみるのもアリだと思います。妊活はいつか終わります。その後の人生を豊かにするために、自分の生き方・働き方を考えるチャンスかもしれません。
妊活世代の20代~40代女性は、まだまだ発展途上です。特別な才能が無くても、努力しだいで成長できるチャンスがあります。私の周りでも、20代後半で福祉系の資格を取った人や、IT系の勉強を始めた人がいます。私もIT系の仕事をしています(なんとか妊活中に再就職した話)。学生時代の専攻は文系で畑違いでしたが、通学や通信教育、アルバイト、独学などで新しいことを学んでいきました。
まとまった時間が取れるのは、おそらく今のうち。子供が授かるまでの期間は辛い時間ではありますが、新しい自分を探す猶予期間として少しでも充実させたいと思っています。
Webデザインやバナー、イラスト、その他手作り品を作れたりするなどの特技があると、時間や場所に関係なく、得意分野で仕事をすることができます。
ただ、そこそこのレベルの作品が作れても、アートはきちんと仕事にするのが難しい分野でもあります。価格で勝負しようにも、最近では海外で同じようなものが安く作れてしまったりします。自分の作品をポートフォリオ(作品集)でアピールするなど、営業の努力を続けていくことが大切になりそうです。
休みをとりやすかったり、交代が見つけやすかったりすると、病院に通いながらでも働きやすいと思います。
パン屋さんやスーパーの朝勤務のお仕事など、通院と両立させやすい仕事もありそうです。ホテルの配膳やお中元・お歳暮対応など、期間限定やシフト制のお仕事を検討してみるのも良いかもしれません。
込み入ったプライベートは話さないままでも、短期のお仕事なら乗り切れるかも。
やりがいや派手さを求めてしまうと、どうしても残業の多い働き方になってしまいがちですが、きちんと定時に終わることを優先して仕事を選ぶのも作戦です。
不妊治療と仕事を両立させることができた友人が何人かいますが、このパターンの人も多いように思います。
一見、いわゆる総合職のほうが華やかでキャリアアップできるように思われますが、意外と、長く続けるには一般職のほうが有利ではないかと思います。
決まった時間にきちんと出勤して、勤務前・後や休業日に通院できるのであれば、時間の活用方法としてはベストかもしれません。
> アパレル派遣なび
ここでは職種について書きましたが、次の記事では、妊活と両立できる職場や勤務形態について考えたいと思います。
> ハローワーク通い(就職活動)と妊活を両立する
> 妊活・子育てと両立できる在宅ワークはどこで探せるのか
> 不妊治療と両立できる働き方(時間帯の話)